第16回・福岡デザインアワード入賞までの軌跡
第16回・福岡デザインアワード入賞を記念して、「まろやかしょうゆ」の軌跡を振り返ってみたいと思います。
【ものづくり補助金の採択】
新しい醤油を製造するためには、どうしても設備投資が必要でした。そこで、たまたまタイミングよく、アベノミクスの目玉施策の一つとして、この補助金の存在をしったのです。
そして、なんとか、弊社提案事業「2次発酵を利用した甘味うま味調味料不使用の九州醤油の試作開発」が「採択」されました!!!
実は、この補助金獲得のための提案書の作成は、これで2回目です。残念ながら、1次公募では、不採択だったため、テーマを変えて、改めて、望んだのが、新しい九州醤油の試作開発でした。
この補助金獲得のために、提案書の作成段階から、福岡県工業技術センター、福岡県醤油醸造協同組合の皆様には、大変お世話になりました。
【産学連携による研究開発のスタート】
研究開発がスタートしたのは、冬の寒い時期でした。
集まって頂いた皆様は、福岡県醤油醸造協同組合、福岡県工業技術センター、そして、食品総合研究所(独・農研機構)の麹菌の研究者の方々。実は、というと、語弊がありますが、醤油・味噌業界では著名な方々ばかりです。
そんな中、プロジェクトリーダーである私(この時点で味噌醤油業界2年目)が、こんな素人じみた質問をしても良いものかと思いながらも、わからないことは聞く!の精神で、稚拙な質問をしていたことが思い出されます。
ここから、特に今回の要である、大豆麹の製麹(こうじをつくること)テストが開始されました。
【九州産業大学との出会い】
あるとき、このような情報を伺いました。
九州産業大学で、「福岡県産醤油の消費拡大を目指した新たなPR方法・製品デザインの企画・提案」に関するPJTが立ち上がっているらしい!
このことを聞きつけた私は、僭越ながら、九産大の先生方に、弊社が現在開発しているしょうゆのことをお話頂けないかとお願いさせて頂きました。
すると、興味を持って頂くことができ、なんと弊社に来ていただくことに。
左上のプレゼンテーションの様子に記載されている通り、学生さんへ新しい醤油の説明をさせて頂きました。
そして、九州産業大学の学生さんには、商品のPR方法の検討を行っていただくこととなりました。また、九州造形短期大学の学生さんには、商品のラベルデザインを行っていただくことになりました。
【九産大でPRについて学ぶ】
そんな中、奇遇にも、私の大学の30個先輩である若林さん(私と同じタイミングで九州にいらっしゃったという偶然!)に知り合いました。
そして、そんな若林さん、PRのプロフェッショナル!ということで、九産大にお邪魔して、学生さんと一緒に、「PRとは何か?」について、勉強させて頂きました。
若林さん、ありがとうございました。
【「産官学」連携による新商品開発のスタート】
そして、
産官連携:研究開発
産学連携:商品開発(商品PR方法検討+ラベルデザイン)
2つ合わせて、「産官学」連携による新商品開発がスタートする運びとなりました。
2014年5月には、弊社メンバーも含めて総勢10名を超える会議も実施しました。
【ペチャクチャナイトへの参加】
話は、ちょっと変わりますが、ペチャクチャナイトという言葉は、皆様御存知でしょうか?
「20秒×20枚のスライドで、いろんな人が好きなテーマで発表を行うプレゼン大会のことです」
PechaKucha Night(ぺちゃくちゃないと)とは、東京在住のアストリッド・クライン氏とマーク・ダイサム氏(クライン・ダイサム・アーキテクツ)が2003年に始めたイベントです。東京から始まり今では世界的に大きく広がって、NY,パリ,ロンドンなど400都市以上でPechaKucha Nightという名前のまま開催されています。
このペチャクチャナイト、福岡県久留米市でも開催されており、ひょんなことから、第5回目に、私が個人的に参加。
そして、学生さんのプレゼンの練習にもなると思い、九産大さんに、これで、新しい醤油のプレゼンテーションをしてみませんか?とお誘いしてみたところ、「やります!」と前向きな返事が!
2014年8月2日に無事プレゼンを終えたのでした。
【デザインの力を活用した商品開発会議への参加】
ペチャクチャナイト終了も、まもなく、あるメルマガで、このような講演会があることを知りました。
デザインアワード応募を考えていた僕は、必聴!と思い、またしても、九産大の学生さんにお伝えした所、同じく、造短大(九州造形短期大学)の学生さんからも、参加します!と、またしても、積極的なお返事が。毎回、頼もしい限りです。
この会合では、今回の商品コンセプトと、現在検討しているラベルデザインを、福岡デザインアワード審査委員長である森田先生に直接プレゼンテーションし、森田先生を始めとして、様々な方から、講評wo。
様々な方から、意見を頂くことは、とても大事です。
そして、ここで得たご意見を元に、最終製品の作りこみを行っていきました。
【福岡デザインアワード・1次審査へ】
1次は「書類」と「商品の写真」のみで審査が行われます。
実は、上記の会議が行われたのが2014年8月26日。デザインアワード1次審査の締切が2014年8月31日と、中4日しかありませんでしたが、九州造形短期大学の学生さんのお陰で、無事、商品が完成、提出するに至りました。
そして、見事、1次審査通過の連絡が。
【福岡デザインアワード・2次審査へ】
2次審査は、アクロス福岡で、ブースを構えての商品の展示会です。どのようなブースにするかは、完全に、学生さんたちにお任せ、いわゆる丸投げです。そして、当日のブースがこちら。
素敵なブースが出来上がりました!
(醤油のボトルの下には、米と大豆が敷き詰められています。)
そして、2日間ある公開展示会も、九州産業大学の金城くん、大塚くん、市村くん、そして、今回のほぼ全てデザインを担当した九州造形短期大学の浦井さんに来ていただき、お客様へ商品の説明、そして急遽ご用意した試食の提供を担当してもらいました。
2日間の立ち作業は、本当に大変だったと思いますが、みなさんのお陰で、本当に多くの皆様に、この商品を知って頂くことができました。ありがとうございました。
【第16回・福岡デザインアワード結果発表】
2014/10/23 15:00から、入賞商品の発表が。それは、もう、ドキドキドキドキしてしまいました。
まず、部屋が暗転。そして、アナウンサーの方から、入賞商品の発表を行うとの発言が。
弊社のブース番号は「B-2」。
事前情報では、「A-1」から順番に入賞商品が発表され、一度飛ばされたら、それで終了とのことでした。
すぐに結果がわかってしまう!!!と、みんなで泣きそうになりながら、固唾を呑んで、待ちわびていた所・・。
「B-2 まろやかしょうゆ アサヒ醸造株式会社」とのアナウンスが!
残念ながら、優秀賞、大賞には選ばれませんでしたが、次年度は、さらなる高みを目指して、頑張ろうと決意した次第です。
これが、現在までの軌跡となります。長々とご拝読ありがとうございます。
(平成26年11月1日記)